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【アメリカ人上司の教え】決算説明会や決算書に親しんで経営者マインドを身につける

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こんにちは、西原哲夫です。

将来経営者になることを目指していたり、今の職場で昇進・昇格をしたいと考えていたりする人におすすめな取り組みの一つが、「決算説明会や決算書に親しむ」ということです。

とくに、自分が今働いている会社のものを継続して確認することを強くすすめます。宝の山です。

上場企業であればどこも株主に対して決算説明を行っていますので、ホームページの「株主・投資家資料」や「IR資料」といったページを確認しましょう。

私は30代から外資系企業2社の日本代表を務めましたが、決算説明会を聞き、決算書を読み込むということが、経営者マインドを身につける上で非常に役立ちました

メリット1:会社の方向性が理解できる

この取り組みは、私がMBAを卒業してアメリカ現地でエマソン社に務めていた時に、当時の上司Dさん(アメリカ人)から教わったものです。

「テツ、来週水曜日の午前10時からEarning Call (アーニングコール・決算説明会のこと) があるんだけど、俺のオフィスで一緒に聞かないか?」

最初にこのように声をかけてもらった時、アーニングコールとは一体何のことか分かりませんでした。

その時間になってDさんのオフィスに行くと、どことなくDさんがソワソワ・ワクワクしている様子です。

DさんのPCを囲みながら所定のウェブサイトにアクセスすると、決算説明会のスライドが画面に表示され、「そろそろ始まります」とのアナウンスが流れてきます。

そして、Dさんが言いました。

「テツ、決算説明会というものはな、会社のこれまでの取り組みや業績に加えて、今後どこに注力していくかを株主たちに対して説明する場なんだよ。」

「だから、決算説明会を聞いておけば、会社の今後の方向性が理解できるぞ。

なるほど、と思いました。

そして内容を聞いていると、売上や利益、そしてキャッシュフローがどういった事業から生まれているか、それらの事業の今後の成長見込み、どの領域に重点的に投資をしていくかなど、CEOやCFOが一生懸命に説明をしています

すると、会社としてA事業には投資をするけれどもB事業には投資をしない理由などが理解できるようになりました。

これによって、社内でのコミュニケーションや立ち回りもスムーズになり、自分が担当するプロジェクトに多くの支援を得ることができるようになりました。

当時私は職場で日本人ただ一人として働いていましたが、たとえ英語がカタコトであろうとも、会社の方向性・方針という本質をおさえるようになってから、仕事を進めやすくなりました

メリット2:株主からの期待値が分かる

加えて、決算説明会では株主たちとの質疑応答があります。

これを聞くことで、株主たちが会社に何を求めているか、よく分かるようになりました。

株主たちが求めることとはもちろん、株価が上がることと配当を得ることですが、そのための事業成長の施策についてさまざまな質問が投げかけられます。

X業界の成長性についてはどう考えているか?Yセクターにおける競争環境はどう分析しているか?など、会社の戦略についてディスカッションがされているようです。

株主の立場からすると、会社の内部の細かなことなど分かりません。

しかし、大所高所から、業界動向などを踏まえてどの方向に足を踏み出すべきかという戦略について考えていることが伝わってきます。

よく、会社は中長期計画を作って公表していますが、それが事業の推進に必要なだけでなく、株主にも説明をして賛同を得ることも重要であることを知りました。

さらに、その決算説明会後の株価の上下もチェックすると、会社が説明した内容が株主たちにとって同意できるものであったかどうかも確認することができます。

代表質問をする株主たちは、いわゆる機関投資家たちが多く、ウォール・ストリートのXX証券やYYファンドなど、よく耳にするところが並びます。

なるほど株式会社の原点を知ることができたように感じました

それまでずっと現場の担当業務しか意識していなかったので、目が開かされる思いでした。

さらに、いわゆる“社内の上から降りてくる仕事”も、こういうところで決まっているということも、よく分かりました

ですからそれを逆手にとって、決算説明会を聞いていれば、近い将来の社内業務も読めるようになり、仕事のストレスが減ったというオマケもありました。(上司から求められる前に想像をふくらませて準備ができる)

メリット3:経営者としての振る舞いを学べる

私が当時勤めていた会社のCEOが話してくれたことがあります。

会社で勤めていると、みんなボス・上司がいる。CEOである自分にだってボスはいる。それは、株主だ。

当たり前ですが、会社の所有者は株主です。

CEOや幹部たちは自分たちのボスである株主の意向に沿って会社経営をしています

CEOやCFOが会社の業績や今後の重点取り組みについて株主に対して説明している様は、まさに私たちが社内で上司や幹部たちにプレゼンテーションなど説明を行うことと同じです。

ただ、それらCEOやCFOのプレゼンテーションは、自分が行うものとは比べ物にならないくらいにすごかったです。

何がすごいかというと、聴衆である株主たちが気にしそうなところはあらかじめ確認の上、それに対する対策が準備されています。

ストーリーがよく練り込まれており、質疑応答もユーモアを交えつつ丁々発止で取り組まれます。

プロのプレゼンテーションとはこういうものかと毎回感心しながら聞いていました。

そういった「ボス(株主)に対するプレゼンテーション(事業説明)」を行うCEOの姿を見ることで、たくさんの学びを得られるのです。

決算説明会や決算書は宝の山

このように、決算説明会や決算書に親しむことで、さまざまなメリットを得ることができます。

とくに将来、経営者になることを目指していたり、職場で昇進や昇格することを望んでいたりする場合は、強くおすすめします。

もしあなたが勤めている会社が上場しておらず決算資料を公表していない場合、競合他社のものをチェックしてみてください。

同じ業界であれば、業界動向や外部環境はほとんど変わりませんので、その中で経営者がどのようなことを考え取り組んでいるかを学ぶことができますので、大いに参考になるはずです。

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プロフィール
西原哲夫 | Tetsu
西原哲夫 | Tetsu
コーチ | プレゼンスジャパン株式会社 代表取締役
2児の父 | 表千家茶道 学習者 | 外資系企業経営 2社 | アメリカMBA | Likes:自然・旅行・歴史・蕎麦・甘味
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