あの人とは安心して話せない。判断や評価をされると恐れを感じる。
安心して話せない人の特徴
最近よく心理的安全性の大切さについて耳にするようになりました。
心理的安全性、安心感があると、新しいアイディアが出たり、ディスカッションが活発になったりして、チーム全体が活性化するという考え方です。
ただ、実際の仕事現場においては、安心して話せない相手がいるものです。
あなたにとっても、1人や2人、顔が思い浮かんだことと思います。
その人たちと一緒に居る時、なぜ安心して話せないのでしょうか?
あなたが何かを話した時、「それは正しい。」とか、「それは間違っている。」とか、判断をされる。
背景や状況をよく理解できるように詳細を話していると、「結論は何だ?」と急かされる。
そこで結論を伝えようと、その人の顔を見ると、あたかもその人の頭の中には正解があって、 あなたがその正解を言い当てられるかどうか、判断をされているように感じる。
そのように感じる時、安心して話せないものです。
新しいアイディアや従来とは異なる意見は、なかなか言い出しにくくなります。
判断をされると怖さを感じる
私たちは、相手に判断をされることを恐れる性質を持っています。
自分は正しいと思ってもらえるか?
それとも、間違っているというレッテルを貼られてしまうか?
間違っていると判断された場合、私という人格そのものが否定されているような気になってしまう。
そして、あなたが怖さを感じるのと同じように、あなたと話している相手も、怖さを感じることがあります。
あなたが相手の話を聞いているとき、それは正しいとか間違ってるだとか考えていると、口に出さなくても、それは相手に伝わっています。
すると相手の方としては、判断をされている、そして評価もされているという気持ちになり、どんどんと萎縮してしまうのです。
これでは、いくら部下のポテンシャルやモチベーションを引き出したい、新しいアイディアをどんどんと出してほしいと思っていたところで、その目標は果たされないでしょう。
むしろその相手の方は、あなたを前にして、どんどんと言葉数が少なくなっていくことと思います。
判断をしないで相手の話を聞く方法
それではどうすれば、判断をしないで相手の話を聞くことができるのか?
2つ紹介します。
まず1つ目は、相手の言葉を受け止めること。
相手が何かを話してくれたときに、その言葉を受け止めましょう。
そして、受け止めたということ、自分に伝わったということを、相手にも伝え返しましょう。
例えば、「今日は暑いですね。」と言われた場合、「本当に暑いですよね。」と返すのです。
「今日は最高気温が30度を超えるらしいですね。」とか「そうですね。何か暑さ対策はしていますか?」でも良いです。
ポイントは、相手が「暑いですね。」と言ったことに対して、それを受け止めましたよ、という意思表示をすることです。
その時、「これくらいは全然暑いとは思わないよ。」とか「オレ/ワタシの若い頃は・・・。」だなんて話し出すと、相手は受け止めてもらえたとは感じられないでしょう。
そして2つ目は、 自分の頭の中に言葉が浮かんできたら、それを客観的に受け止めることです。
相手の話を聞いていると、ついつい、「それは正解、不正解」、「それは良い、悪い」などと、判断や評価をしてしまいたくなるものです。
それは私たちみんなにある性質ですので、それ自体を否定しないようにしましょう。
ただ、そういった言葉が頭の中に思い浮かんできた時に、「今自分は判断や評価をしようとしているなあ。」と、冷静に受け止めるのです。
ただそれだけです。
そしてその後、また相手の話している内容にしっかり向き合って、注意をそちらに戻しましょう。
これらに取り組むだけで、相手は「判断をしないで聞いてもらえている」と感じてくれます。
あなたが「安心して話せない」と感じる時、心の中にはどのような感情がありますか?
あなたは相手に安心して話してほしいと考えますか?
判断や評価をしそうになった時、それをどのように受け止めていますか?