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経営とリーダーシップ

シチュエーショナルリーダーシップとは?全マネジャーにおすすめ。具体的な実践例と私の経験談。

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こんにちは、西原哲夫です。

はじめて部下やメンバーのマネジメントをすることになった時、最初に悩むのは、「で、いったいマネジメントとは何をすれば良いの??」ということだと思います。

また、マネジメントをするようになってしばらく経つ方であっても、悩みは尽きないもので、「何か上手いやり方はないものか?」と考えることがあるはずです。

そんな方に、「シチュエーショナルリーダーシップ」という考え方がおすすめです。

言葉だけではカタカナでとっつきにくい印象ですが、実はシンプルで取り組みやすいものです。

また、自分なりにアレンジすることもできますので、ぜひ日頃のマネジメントに取り入れてみることをおすすめします。

シチュエーショナルリーダーシップとはどのような考え方か、具体的にどのように実践すれば良いかなど、紹介します。

シチュエーショナルリーダーシップの考え方

遡ること2014年、私がビジネススクールを卒業しアメリカ現地で働き出してしばらくして、当時の職場で部下をつけてもらえることになりました。

晴れて素晴らしい方を採用でき、一緒に二人三脚で業務に取り組むことになったのですが、ふと冒頭の「マネジメントって何をするの?」という疑問が沸きあがりました。

間違っても、「この仕事をやっておいて!」と放り投げることではないということだけは当時の自分も分かっていましたが、それでも何をすれば良いかが分かりません。

そこで当時のメンター(アメリカ現地の人事部門トップの方)に相談に行ったら、

「テツ、シチュエーショナルリーダーシップの本を貸してあげるから、それを読んで実践してごらん。」とアドバイスをくれました

そこで、その本を読んだりメンターとディスカッションをしたりする中で、このシチュエーショナルリーダーシップという考え方が分かりました。

それは、読んで字のごとく、

「シチュエーションに応じて、自分の相手への関わり方を変える。」

ということでした。

「相手への関わり方」こそが、リードのしかたであり、リーダーシップスタイルでもあります。

それを自ら振り返って柔軟に調整するという考え方です。

それまでマネジメントというと、部下である相手に一方的に指示をしたり、それに合わせて行動することを相手に求めたり、というイメージがありました。

しかしこのシチュエーショナルリーダーシップでは、「自分自身が柔軟に変化しなさい。」という教えなので、とても新鮮に感じました。

具体的にどうやって使えば良いか?実践例

では具体的に、どうやってこのシチュエーショナルリーダーシップを実践すれば良いかということを紹介します。

【ステップ1】相手の状況を分析する

この図をご覧いただきたいのですが、「能力」と「熱意」という2つの軸から、部下である相手の状況を分析してみましょう

ここでのポイントは、業務別に分析をすることです。

どういうことかというと、相手の方も、複数の仕事を同時並行で抱えていることがほとんどです。

得意な仕事があれば、得意ではない仕事もある。

好きな仕事があれば、そうでもない仕事もある。

ですから、代表的で具体的な業務内容をいくつか書き出してみて、それぞれを熱意と能力の2軸で分析してみるのです。

こうすることで、それぞれの業務状況を、能力と熱意の高い・低いから4つのパターンに分けられます。

【ステップ2】パターン別の関わり方を考える

次に、それぞれのパターン別に、自分の相手への関わり方を考えます

① 能力も熱意も共に高い

たとえば、「①能力も熱意も共に高い」場合、その仕事は相手の方に任せましょう

自分が部下の立場であるケースを考えてみると分かりやすいと思います。

自分はこの仕事が好きだし得意だし、結果も出している自信がある。

そんな時に、上司の方から、あれやこれやと細かなことを言われたらどんな気持ちになるでしょうか?

私であれば、「ほっといてくれ!結果は出すから!」と言いたくなってしまいます。

それでも上司の方が些細なことまで指示・確認をしてこようものなら、やる気が下がってしまいます。

ですから、こんな時は、上司側に「任せる」というリーダーシップスタイルが求められることになります。

② 能力は高いが熱意は低い

次は、「②能力は高いが熱意は低い」というパターンです。

これは少し厄介です。

本人はその仕事で成果を出す能力を十分に持っているのですが、熱意が低くやる気が出ていない状況です。

もしかしたら、「自分のことを理解してもらえていない」「自分の能力が認められていない」などとふてくされているのかもしれません

昔は活躍していたのに、今は元気がなくなってしまっているということもありそうです。

そこで、なぜせっかく能力があるのに熱意が上がらないのか、相手の話をよく聞いてみましょう。何か理由があるはずです。

そこを一緒に解決するようなパートナーシップを組めると、その方の熱意が高まってくる可能性が上がります

③ 能力は低いが熱意は高い

②とは逆に、熱意もやる気もあるのだけれども、いかんせん能力が低い、というパターンです。

これは残念ですが、その人に仕事を任せっぱなしにすることはできません

上司として積極的に介入し、サポートをしてあげましょう

なぜサポートをするのか相手にちゃんと説明をすれば嫌がられませんし、むしろ「仕事を学ばせてもらえる」と喜ばれもします

そして相手の方の能力が少しずつ上がってきて①のゾーンに入ってきたら、徐々に任せることができるようになります。

④ 能力も熱意も共に低い

一番マズいパターンですが、能力も熱意も共に低い、ということがあります。

この時は、相手の方にとってその仕事が合っていないわけですので、違う仕事に代わってもらいましょう

別の仕事の方が輝くこともありますので、目を背けずに、相手の方としっかり話し合うことが必要です。

【ステップ3】相手と対話をして確認する

相手の方の業務状況を分析し、パターン別に関わり方を考えたら、それを相手の方と話してみましょう

「上司の立場からは、このように見えています。あなたはどう思いますか?」と、話し合うのです。

その上で、関わり方についても確認・合意をし、実践します

押さえておくべき重要ポイントは、対話と合意

これらのステップにおいて、一番重要なことは、相手と話し合い、合意を得るということです。

上司側としてしっかり考えてみたことでも、相手にとっては見当違いなこともあるからです。

事実、私も散々、筋違いな見立てをしたことがたくさんあります!

仕事が進んでいない様子を見て、「能力がありそうなのに、やる気がないのかな?」などと考えた時も、実際に相手と話してみると、「実はやる気があるんだけど、能力に自信がなくて仕事が進んでいない。」と打ち明けられることがありました。

そういう時に求められるのは、熱意を取り戻すようなコミュニケーションではなく、ハンズオンで仕事を手伝ったりサポートしたりすることです。

ですから、自分で見立てをすることが最初のステップですが、合わせて、相手に確認をすることも必要なのです。

相手も納得の上なら、上司であるあなたのことをまさに「自分のことを分かってくれる上司」と考えてくれることにもつながります。

シチュエーショナルリーダーシップを実践してみましょう

このように、シチュエーション別にパターン分けをして、自分の相手への関わり方を変えることが、シチュエーショナルリーダーシップの考え方です。

そして、それぞれのパターン別の見立てを部下である相手とも対話を通じて確認をすると効果的です。

ぜひ試してみてください。

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プロフィール
西原哲夫 | Tetsu
西原哲夫 | Tetsu
コーチ | プレゼンスジャパン株式会社 代表取締役
2児の父 | 表千家茶道 学習者 | 外資系企業経営 2社 | アメリカMBA | Likes:自然・旅行・歴史・蕎麦・甘味
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