目標達成に自信を失ったら思い出したい5つのこと(コーチング資格取得時の学び)
何か新しく目標を設定しても、最初に思い描いていた通りにはなかなか進んでいかないことがあると思います。
当初の計画自体が甘かったと言われればそれまでですが、外部環境の変化に影響を受けることだってあります。
その結果として、三日坊主になってしまったり、そんな自分に嫌気が差したり、自信を失ってしまったり。
さらに、当初はやる気にあふれて打ち立てた目標も、途中から、なんだか自分を苦しめる存在に感じてしまうなんてことも。
私自身を含め、誰にでも経験があることでしょう。
先日、ずっと欲しかったコーチング資格を取得することができました。
プロのコーチとして活動している私ですが、つい先日、国際コーチング連盟のACC (アソシエイト認定コーチ) という資格を取得しました。
国際コーチング連盟は、International Coaching Federation、略してICFとも呼ばれる、世界で最も権威のあるコーチング団体です。
ずっと欲しかった、このICF ACCという資格。
ただ、最初に志してコーチングの門を叩いてから、振り返れば実に3年もかかっていました。
そしてその3年間は、私のこれまでの生涯で最も変化に富んだ年月で、資格取得のために集中して取り組める時間はまったくと言ってよいほどありませんでした。
それでもこうして3年間をかけて目標を達成できた背景には、次の5つのことがありました。
- 根気強さ
- プロのサポート
- バランス
- 友人知人たちとの信頼関係
- とらわれすぎないこと
これら5つのことは、資格取得に限らず、どんな目標を目指す際にも参考にできることと思いますので、ぜひ共有させてください。
荒波にもまれた3年間
私がコーチングのトレーニングを受け始めたのは2020年10月のことでした。コーチ・エィというコーチング業界最大手の会社が提供する、コーチ・エィ アカデミアというクラスに申し込んだのです。
それはまさに新型コロナウイルスの脅威が吹き荒れる頃。この先世の中がどうなるか分からない不安に悩む毎日であったのは、みなさんと同じです。
加えて当時私は外資系企業の経営者でしたが、コロナ禍や景気下落に伴い、ビジネス環境は最悪でした。
リーマンショック以来の大不況で、ダウンサイジングなどの荒療治をするなど、心休まる間もなく後ろ向きな仕事に追われていました。あれは2度と経験したくありません。
また、その中でも良かったこととして、プライベートで子供が産まれました。2020年に長男を、そして2022年に次男を授かったのです。
それはそれは親族一同大喜びの幸せなイベントですが、ご存知の通り、子供を授かると生活が一変します。
妊娠中の妻の悪阻(つわり)に始まり、産まれてからは文字通り昼も夜も無い生活に。
慢性的な寝不足に悩まされ、起きている間もてんやわんや。次男が生まれるタイミングで長男の入院が重なるなど、色々ありました。
妻と話し合い助け合い、ギリギリで正気を保っていますが、今でもトラブルだらけの毎日、理想とかけ離れた子育てに目を背けたくなります。。。
そして、これは自分勝手な都合ですが、この3年の間で仕事を変えたのが2回。1回目が転職で、2回目が独立です。
それに伴い引っ越しなど外部環境も変わるため、余計に、資格取得のために費やせる時間もエネルギーも無くなりました。
そしてとどめに、今年2023年夏、自分の身体に大きな病気があることが分かりました。
頭の中が真っ白になりながらも、通院を繰り返すかたわらで最後のテストに向けて準備を続け、テストセンターでの受験直後に合格発表を聞いたのが、2023年10月末。
手術入院をする3日前のことでした。
目標達成を助けてくれた5つのこと
どれも自分で選んで来た道ではあるのですが(病気を除いて)、そんな中でも資格取得という目標を達成できたことの背景には、次の5つのことがあったと振り返って考えます。
その1:根気強さ
まずひとつ目に挙げたいのが、根気強さです。
最初にコーチングのトレーニングを受け始めた当初は、1〜2年ほどで資格取得できるだろうと根拠の無い自信を持っていました。
それが上記の通り、想定の甘さが次々に露呈し、短期間で目標を達成するという自信はあっけなく崩れ去りました。
しかし、過去から部活動などで根気強さを鍛えられてきたおかげか、本当に少しずつ、亀の歩みであっても、勉強や練習を続けることができました。
出勤前、朝7時からのクラス参加。
夜、子供を寝かしつけた後、午後10時半からのコーチングの実践。
これらを3年間、細々と、そして延々と、繰り返してきました。
目標達成のために大切なことは、達成に向けたスピードではありません。
必ず達成したいと願う想いの強さと、それを長期間にわたって支えてくれる根気強さだと学びました。
その2:プロのサポート
2つ目は、プロのサポートです。
私がコーチングを学んだコーチ・エィ アカデミアのクラスコーチやスタッフのみなさんからのサポートなくして、今回の資格取得は成し得ませんでした。
その道に入らんとするならば、専門の学校やトレーニングプログラムに通うことが必要です。
その上で、さらに自分で自分自身に投資をして来たことがあります。
それは、上記トレーニングプログラムとは別に、自分でプロのコーチを雇って来たということです。
自分のコーチはMCC (マスター認定コーチ) と呼ばれるICFの定める最上位資格を保有しており、さらにそのMCC資格のアセッサー (認定評価者) でもあります。
ある意味、自分がこれから歩もうとする道をすでに経験しており、その方に師事することで、最小限の労力で最大の効果を生むことが可能になりました。
また、その方との定期的なコーチングセッションを継続する中で、自分自身のタイムマネジメントやPDCAを含めた軌道修正、そして自己理解や学びの深化などを助けてもらいました。
振り返れば荒波の3年間でしたが、設定した目標に向かって二人三脚で歩みを共にし、最終的に成果をつかんだという実績には、「コーチングは目標達成のためのプロセス」という、まさにコーチングの真髄が現れていると感じます。
何事においても、プロのサポートを有効活用することは自己流のリスクを減らし、成功確率を大幅に高めてくれます。
その3:バランス
3つ目は、バランスについてです。
バランスは物事を中途半端にするものではなく、逆に、自分の内側から湧き上がるエネルギーを与えてくれると知っていますか?
私はつい最近まで知りませんでした。
自分の家庭を持ってはじめて分かったこととして、人生にはバランスが必要であるし、バランスある人生こそが豊かであるということがあります。
私が独身時代は、バランスのかけらさえも持ち合わせていませんでした。
仕事、仕事、そして仕事。
お酒を飲めば、限度なくとことん飲む。
身体も精神も、偏った使われ方がなされていたためか、エネルギーはあっても、いつも何かが欠けているような、満たされない感覚を感じていました。
趣味を持っていたことがせめてもの救いでしたが、それでも意識をしないと、すぐに仕事漬けの毎日に戻ります。
「仕事で一定の成果が出たらひと休みするから!」と自分自身には言い聞かせていましたが、現実にはそんなことしません。
ただ、子供が出来てからというもの、どうしてもバランスを取らざるを得なくなります。
正直、子供が産まれてすぐの頃、仕事に没頭できないことに大きなフラストレーションを感じました。
しかし、そんな私だって、胸の内では好きな人たちと一緒に働き、遊び、休みたい、つまり、バランスある生活を自分自身も求めているのです。
そうであるならば、「もっと、もっと」という無限の欲求を手放し、今日からバランスある日々を過ごしていこうと決めました。
そしてこの3年間、資格取得だけに焦らず、バランスある生活を心がけて来たことで気がついたことがあります。
それは、バランスある生活をしていると、無理のない自然なエネルギーがこんこんと湧き上がってくるということです。
気持ちも満たされていますし、このエネルギーの泉にアクセスできることが、目標達成に向けて無理なくコツコツと歩みを進める原動力となりました。
バランスを取ると物事が中途半端になるのではないかと恐れていましたが、それは誤りであったことを学びました。
その4:友人知人たちとの信頼関係
4つ目は、友人知人たちとの信頼関係です。
今回のICF ACCという資格を取得する条件のひとつに、「10人以上に対して、100時間以上のコーチング実績、そのうち75%以上は有償」というものがありました。
有償、つまりは対価をいただいてコーチングサービスを提供するわけですが、そのクライアントと出会うためにいろんな人に声をかけました。
その結果、10人どころかそれ以上の数の方たちが、私とのコーチングに取り組むことに同意してくださいました。
しかもコーチングセッションでは、とても個人的で、他の誰にも言えないようなことも格好つけず正直に話してもらいます。
その対話の相手として自分を選んでくれたことに、感謝の気持ちでいっぱいになります。
そして、対話の相手として選んでいただけるような信頼を寄せていただいていたことにも気づくと、過去長年にわたって培って来た友人知人との関係性に想いが至ります。
人脈やネットワークという言葉だけでは言い表せない、食事会や飲み会だけでつながっているものでもない、信頼をベースにした人間関係が大切であるということ。
これからも長きにわたって意識して取り組みたいポイントです。
その5:とらわれすぎないこと
最後の5つ目は、とらわれすぎないことです。
その1で根気強さについて書きましたので、その反対のことのように感じるかもしれませんが、そうというわけではありません。
とらわれず、しがみつかず、執着せず。
肩の力が抜けているような、姿勢のことです。
私たちはどうしても、「絶対にこの目標を達成しなければいけない!」「この目標を達成しないと、後が無い!」と考えると、逆に肩に力が入り過ぎ、近視眼的になり、本来の力を出せなくなります。
何か物事を進めていく時、想定外のことも起こりますが、その度に視点を変えたり、別の選択肢を取り入れたりすることで、行きたい方向に向かって歩みを続けることができます。
私が今回の資格試験に出願する際も、目標時期までにコーチング実績時間が十分に積み上がらなければ出願タイミングを遅らせることを考えました。
国際コーチング連盟の資格取得に時間がかかるなら、まずは国内の比較的容易な資格を取得することで自分自身のモチベーションを維持することにも取り組みました。
このように、色々な選択肢を考え取り入れることで、3年間にわたって歩みを止めずに進めてくることができました。
とらわれない、しがみつかない、執着しない。
結果を出したいからこそ、この姿勢が重要だと感じました。
何よりも、プロセスの途中で燃え尽きてしまわないために。
目標達成に自信を失った時に考えたい5つのこと
このように、目標達成に自信を失い、先が見えない時にはこれらの5つのことを思い出したいものです。
- 根気強さ
- プロのサポート
- バランス
- 友人知人たちとの信頼関係
- とらわれすぎないこと
途中でサジを投げたくなる時が来たとしても、また顔を上げて歩みを続けていくことができると思います。
あなたが大切な目標を達成できますように。